エビデンス

Evidence
2022/04/25
  • 珪素
  • 安全性

ウイルス不活化試験

第 14028212001-01 号

2014年(平成26年)04月28日

試驗報告書

依頼者  株式会社 APAコーポレーション

検体  水溶性珪素umo濃縮溶液

表題  ウイルス不活化試験

2014年(平成26年)03月18日当センターに提出された上記検体について試験した結果をご報告いたします。

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ウイルス不活化試験

1 依頼者

株式会社 APAコーポレーション

2 検体

水溶性珪素umo濃縮溶液

3 試験目的

検体のネコカリシウイルスに対する不活化試験を行う。 

4 試験概要

検体にネコカリシウイルスのウイルス浮遊液を添加,混合し,作用液とした。室温で作用 させ,5,15及び60分後に作用液のウイルス感染価を測定した。また,あらかじめ予備試験 を行い,ウイルス感染価の測定方法について検討した。

なお,ネコカリシウイルスは,細胞培養が不可能なノロウイルスの代替ウイルスとして広く使用されている。

5 試験結果

1) 予備試験

細胞維持培地で作用液を100倍に希釈することにより,検体の影響を受けずにウイルス感染価が測定できることを確認した。 

2) ウイルス感染価の測定 

結果を表-1に示した。 

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表-1 作用液のウイルス感染価測定結果

TCID50: median tissue culture infectious dose, 50 %組織培養感染量

開始時:作用開始直後の対照のTCIDSを測定し,開始時とした。

対照:精製水

ウイルス浮遊液:精製水で10倍に希釈したもの

作用温度:室温

<2.5: 検出せず

-:実施せず

*1 作用液1 mL当たりのTCIDS.の対数値

*2 ノロウイルスの代替ウイルス

6 試験方法

1) 試験ウイルス

Feline calicivirus F-9 ATCC VR-782(ネコカリシウイルス)

2) 使用細胞

CRFK細胞[大日本製薬株式会社]

3) 使用培地

① 細胞増殖培地

イーグルMEM培地「ニッスイ」10日水製薬株式会社]に牛胎仔血清を10%加えたものを使用した。

② 胞維持培地

イーグルMEM培地「ニッスイ」1に牛胎仔血清を2 %加えたものを使用した。

4) ウイルス浮遊液の調製

① 細胞の培養

細胞増殖培地を用い,使用細胞を組織培養用フラスコ内に単層培養した。

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② ウイルスの接種

単層培養後にフラスコ内から細胞増殖培地を除き,試験ウイルスを接種した。次に,細胞維持培地を加えて37℃±1℃の炭酸ガスインキュベーター (CO,濃度:5 %)内で1~5日間培養した。

③ ウイルス浮遊液の調製

培養後,倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態を観察し,細胞に形態変化(細胞変性効果)が起こっていることを確認した。次に,培養液を遠心分離 (3000 r/min, 10分間)し,得られた上澄み液を精製水で10倍に希釈し,ウイルス浮遊液とした。

5) 試験操作

検体1 mLにウイルス浮遊液0.1 mLを添加,混合し,作用液とした。室温で作用させ, 5,15及び60分後に細胞維持培地を用いて100倍に希釈し,ウイルス感染価を測定した。

なお,対照として精製水を用いて同様に試験し,開始時及び60分後について測定を行った。

6) ウイルス感染価の測定

細胞増殖培地を用い,使用細胞を組織培養用マイクロプレート(96穴)内で単層培養した後,細胞増殖培地を除き細胞維持培地を0.1 mLずっ加えた。次に,100倍希釈後の作用液及び対照を,細胞維持培地を用いて10倍段階希釈した。その希釈液0.1 mLを4穴ずつに接種し, 37 °C±1 °Cの炭酸ガスインキュベーター (CO,濃度:5 %)内で4~7日間培養した。培養後,倒立位相差顕微鏡を用いて細胞の形態変化(細胞変性効果)の有無を観察し, Reed-Muench法により50%組織培養感染量(TCID..)を算出して作用液1ml当たりのウイルス感染価に換算した。

以上

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